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「不思議の国のアリス(仮)」3

※不思議の国のアリス(仮)2の続きです。
1、2を読んでから読むことを推奨します。

■□■□■□■

「まぁ不思議の国にはよくあることだよ。」
大きくなったアリスがそこに居ることには少し驚いたものの、さほどうろたえる様子もなく。
「それよりアリスちゃん、分かってるじゃん。
水色と白の縞なんて。」
「何が……」
言いかけてはっと気づく。
「何見てるんですかぁ!!」
へたりこんでいた足を思い切りチェシャ猫の方に押しやる。
「あ、痛い痛い痛い痛い!
アリスちゃん、ギブ!ギブ」
「もう!最低です!」
「まぁまぁ、俺治してあげられるよ?」
「本当ですか!?」
「ほんとほんと。
こんなこともあろうかと兎の奴から扇子パクっといたの。」
背中で得意げな声がする。
「扇子?なんだか知んないけど…お願いしますぅ…」
「でも、いいのぉ?」
「へ?な、何がですか?」
「こんな絶景、戻しちゃ…いだだだだだだ
アリスちゃん、痛い!」
顔を真っ赤にしたアリスが再びチェシャ猫を蹴る。
「もう!はやくしてください!」
「はぁい。」
背中でそよそよと風を感じる。
ゆっくりと視界が下がり、ぎゅうぎゅうだった体が圧迫感から開放されるのがわかった。

「さて、こんなもんかな?」
チェシャ猫が手を止めた頃には元の158cmの小さなアリスに戻っていた。
「改めてアリスちゃん、Wonderlandへよーこそ。
お顔を見せて。」
恭しくチェシャ猫が言った。
リオの言ったことが頭を巡る。

『チェシャ猫には気をつけて。』
『にたにた笑う顔なんて…』
『気に入らなければ切り刻むでしょう』

少し怯え、ゆっくりと振り向いた。
けれどそこにいたのは思い描いた不安とは全く別物のチェシャ猫がいた。
にたにたというよりはにこにこといった人懐っこい笑顔、鮮やかなピンクと紫のパーカー。
チェシャ猫というだけあって猫らしい目と口をしていた。
語尾ににゃあ、なんて着いていても違和感なく接することが出来そうだ。
「あなた…が…?」
「そう。
俺がチェシャ猫だよ。
かわいいアリス。」
にっこりと笑って、手を差し延べる。
「あーもう、やっとだよぉ!
すっごい楽しみだったんだからぁ!」
ぷつん、と糸が切れたように息を吐き出すチェシャ猫。
「もぉね、俺ずーっと前からアリスに会えるの楽しみにしてたんだよ!」
ぎゅうと目を閉じて酷く喜ぶ。
「チェシャ猫さん…」
こうまで露骨に喜ばれるとはにかんでしまう。
アリスは照れ笑いを浮かべた。
「ね、チェシャ猫さんってのやめてくれない?
なんかさ、こそばゆい。
呼び捨てでいいよぉ。」
「…チェシャ猫?」
「それはそれでなんか変だねぇ。
半分でいーよ。」
「猫?
いくらなんでもそれは…」
「うーんどちらかと言えばチェシャの方とってほしかったなぁ。」
「あ、すみません。」
えへへ、と笑うアリス。
チェシャ猫はそれすら愛おしそうに。
「でもさ、呼び方それで敬語って何か変だよね。
タメ口でいいよ?」
「いえ、そんななれなれしい。
申し訳ないですよ。」
「言い方がおかしかったかな。
タメ口でいい、じゃなくてタメ口がいいの。
……だめ?」
少し上目遣いで覗き込まれる。
大きな猫目にはアリスだけがが映っていた。
「あ…う……」
見つめられるのに我慢できなくなったアリスはふいと目を逸らす。
「はい、もう決まり!
敬語はダメだからね、アリスちゃん。」
チェシャ猫はアリスの顔にぎゅ、と両手を当て自分の方を向かせて言った。

こんな目で見られちゃ…
アリスは何ともつかない声を少し上げた。
「うぅ…がんばりま…頑張る…。」
「はい、よく出来ました。」
さも嬉しそうにチェシャ猫は目を線ように細めて笑い、アリスの頭をくしゃくしゃと撫でた。
「……………っ」
ぶんと音のなりそうなほどの勢いで顔を背ける。
「そ、そういえば!」
話の流れを変えようと少し食い気味に言った。
「チェシャ猫さんは…名前とかないん…ないの?」
「ん?なんで?」
「なんでって…兎さんにはリオさんっていう名前があるし私にもアリスって名前があるでしょう?」
「…そっか、そうだね。
…兎チャン…ね。
でもアリスちゃんは『アリスちゃん』でしょ?」
彼の言動は少しよくわからなかった。
なんとなく、意味が含まれていそうな。
けれど詮索するのはどうも気が引けた。
「まぁ、基本皆ちゃんとした名前があるもんなんだけど…
アリスちゃんがそういうならアリスちゃん、つけてくれる?」
クスクスと笑いながらチェシャ猫は言った。
「えーっ…そんなの!!」
「アリスちゃんが付けてくれたんなら何でも良いんだけど。」
「え、え…」
ふと見渡せば、李。
「プラム、プラムさん。」
「へぇ、可愛い。
ありがと」
チェシャ猫はそう言ってアリスの頬に軽く口づけた。
「!!」
いきなりのことに驚くアリス。
けれどチェシャ猫は平然と。
「あ、ひょっとアリスちゃんこーゆーの初めて??」
「は、初めてです……」
「あー敬語!
もー…こんなんじゃいつまでたっても敬語のまんまになっちゃうよ。
じゃあもうあと5回で罰ゲームね?」
「うー…」
「罰ゲームねー…何がいい?」
「……わかんない」
「じゃあ、俺の言うこと一つ。
聞いてくれる?」
「なんか変なの言われそうー…」
「わがまま」
チェシャ猫は口を尖らせ笑った。
「じゃあねー」
そういってぱっと手を広げるチェシャ猫。
「俺に触れて。離さないで。
どんな状況でも、俺の元に来て」
笑っているのに、目の奥は笑っていない。
その目は一瞬、ひやりと冷たく、どこか怖かった。
耐え切れず、目線を逸らす。

「…プラム…さん…?」

「なぁに?
俺の可愛いアリス。」
再び見た彼はいつもと同じ、笑い顔。
愛しいものを見つめるような、酷く優しげな顔。

(…今のは…?)

「まぁ罰ゲームなんてそれまであと5回あるんだけどさー。」
小さな子供のようにあどけない笑い。
「私が…私が約束、守らなかったら…?」
恐る恐るとアリスは聞いた。
「…守ってくれないの?」
「…いえ、守ります!
でも…でも、もし…」
「そぉだねー…
んー…壊しちゃうかも」
さっきの鳥肌の立つような冷たい目。
背筋が凍りつくような目線。
「なんて、ね。
アリスちゃんは約束守るでしょ?」
「…はい……」
チェシャ猫は時たま笑えない冗談を言う。
それが本当に冗談かは定かではないけれど。

「ね、ぎゅってしてぇ?」
「な、何!?いきなり!」
「なんとなく。
してほしくなったんだもん。
さっき敬語使ったから!ってことでさ。」
「そんな…」
「ちゅーの時もそうだったけど、アリスちゃん純情だねー。
顔真っ赤。」
「…っ!!」
「照れた顔も可愛い可愛い♪
もっと色んな顔がみてみたいな
色んな、ね。」
憂いた目でふっとアリスを見つめた。
「してくれないから次からは俺から勝手にいくね★
好きなときにぎゅって出来るしそっちの方がいっかぁ♪」


『にたにた猫には気をつけて。
その目の奥には狂気が宿る。
その目の先には獲物が写る。
貴方はまだ気付かない。
にたにた猫に潜む狂気。
気付かないというのなら、
気付きたくないというのなら、
それはそれでもいいけれど。
痛い目見るのは貴方なの。
いつか後悔するならば、
今のうちにお逃げなさい。
にたにた猫の本性が
貴方の方に向かないうちに。』


花畑の花は風に揺れながら微かに唄った。
人の耳には聞き取ることのできないほど微かに。

「うるせぇよ…花。
毟られてぇか?」
但相手は猫。
チェシャ猫は聞き逃さず、ギロリと窓の外を睨む。
返す言葉もまた小さく。
花はそれきり黙り、心配そうに風に揺れた。

「まだだ…まだ…駄目なんだ。
我慢…我慢…」
チェシャ猫はギリリ、と唇を噛んだ。

アリスの知らないうちのこと。
アリスの耳には何の一言も届いていない。

『チェシャ猫さん…
リオさんが言ってたみたいな悪い人じゃない気がする。
たまにふと怖いけど…
きっと、リオさんの思い過ごし。』

アリスは思う。
良い方に。

「アリス♪
アリスはこれからどうするの?」
チェシャ猫はパッと向きを変え、アリスに問う。
「どうする…?」
「うん。
食べたり、寝たりするところ。」
「あ…忘れてた…」
苦笑いするアリス。
野宿という考えが頭に浮かんだ。
「まぁどこの家でもアリスなら泊めてくれるだろうけどね。
よければおいでよ。
可愛いアリス。」
にっこり笑い、手を差し延べたチェシャ猫にアリスは甘えることにした。
「…じゃあ今日はお邪魔します。」
「今日と言わずずっと…ずっと居てもいいからね」


「……色んな顔が見たい。
ずっと一緒にいてほしい。
誰にも渡したくない。
いろんなかおがみたいずっといっしょにいてほしいいろんなかおがみたいずっといっしょにいてほしいいろんなかおがみたいずっといっしょにいてほしいずっとずっとずっとずっとずっと
……でもまだ…駄目。
アリスに嫌われちゃう。」
俯き、小さく、繰り返し呟く。
クスリと笑い自分の肩に爪を立てているチェシャ猫は、理性を保とうとしているようにも見えた。

けれど、それをアリスに悟られないようにいつものように明るく振る舞い、アリスを導く。


□■□■□■□


チェシャ猫のちょっとした狂気。
あと名前をつけてみました。
このあとの展開ノープランです。
いっそ(仮)外そうかな、って思ってます。
本始動的な。
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幸野

Author:幸野
夢見る乙女モドキのJK2の腐れちきんです
BLNLGLばちこい!です
カラオケ好きで歌下手な迷惑っ子です。

wj・BASARA・ラメント・咎狗・絶望先生・ディスガイア・ウサビッチ・ジョジョ・日和・SQ・aph などなど
その他いっぱいゲーム漫画小説大好きです。
雑食で食い散らかしてます←
でも今一番熱いのは堀宮でございます。
でも基本CP的な意味でも雑食でs((
音楽のほうも雑食です。

寂しがり屋なので絡んでいただけると飛び上がって喜びます。
最初は控えめですが慣れたらうっと惜しいまでにハイテンションで絡みだします。
気をつけてください。
お友達切実に募集中ですー

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