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「不思議の国のアリス(仮)」2

※前にも投下した不思議の国のアリス(仮)の続きです。


□■□■□■□

「…てか…あたしのことは無視なんですか?」
リオにぎゅっと抱き寄せられたままのアリスはリオを見て聞く。
少し、リオを引き離そうとするように。
「んーっ可愛いアリスちゃん♪
顔みたいんだけど。
糞兎邪魔ー…」
ふて腐れたようなチェシャ猫の声がする。

「もう少し待っていてください。」
リオは冷静に答えたけれど、早く脈打つ鼓動とさっきからの震えから、思いの外危険な状況だと察する。
そうしてアリスは再びリオに身を委ねた。

「とにかく、チェシャ猫。
帰ってください。
どうせWonderlandに行けばそのうち会うんでしょう?」
「へぇへぇ、兎チャン。
俺のアリス、また後で。」
たん、と踏み切った音がして、チェシャ猫らしき気配が消える。

「アリス、お待たせしました。
もう大丈夫ですよ。」
「…あたしチェシャ猫さんのこと一度も見てないんだけど。」
「見なくて結構です。
顔面凶器ですよ!
10秒も見たら目が腐り落ちます!
にたにた笑う顔なんて悪寒しか…
Wonderlandで赤と紫のパーカーを来たにたにた笑う眼帯の気持ち悪い奴を見かけたらまず警戒ですよ?」
心底嫌そうな顔でリオは言う。
そうとう嫌いなのだろう。
「しつれぇっ!!」
チェシャ猫が再びにょっこりと窓から顔を出す。
「…まだいたんですか!
さっさと帰ってくださいッ!」
「ぶぅ
じゃあ帰るからさー
アリスちゃんの顔見せてよ。」
「嫌、です。
あなた、気に入れば連れ出すし
気に入らなければ切り刻むでしょう?」
「切り…刻む…?」
「それはほんとに嫌だったときだけだからぁ!」
「なんなんですか。
往生際の悪い…いけませんよ」
「あ、そ。
向こう着いたら覚えとけな?」
「忘れたいですけどね」
「ふん、ばーか。
アリスちゃん、また後でね。」
そう言うと気配が消える。
今度は完全に。

「…行きましたか、やっと。」
リオから安堵の息が零れた。

「えっと…本当に…嫌いなんですね。」
「えぇ、近くに居るだけで泣きだし、吐きそうですよ。」
「…震えてます。」
「はい。
すみませんね、格好悪い所を見せてしまって。」
「いえ…。」
未だ小さく震えていた。

「切り替えましょう!」
自分に言い聞かせるように、リオは大きな声で言った。
「アリス、早くWonderlandにいらっしゃい。
あぁ、それともまだ覚悟ができませんか?」
「…拒否権は…ないんでしょう?
しょうがないじゃないですか…」
「ふふ、賢い判断ですね。
賢い子は好きですよ。」
愛おしそうにリオは頭を撫でる。
その下で不機嫌そうなアリス。
(な、ちょ…頭とか親ぐらいにしか撫でられたことないんだからね!?)

「さて、行きましょうか。」
「行くって…どうやって…」
「私が来た道を戻れば良いんですよ。
お送りいたします、アリス。」
差し延べる手。
まるで姫と王子のようにアリスは柔らかに手をとる。
「ふふ、しっかり捕んでいてくださいね?」
直後ダン、っと踏み切るリオ。
速い、速い、速い。
チェシャ猫から逃げるときと比べると随分遅いものだが、それでもまだ。
着いていくのが精一杯。
気を抜けばすぐに足が縺れ、こけてしまいそうだ。
先程はあれほど恥ずかしかったというのに、今は抱き上げてはくれないのかと少し不満に思うほど。
「あぁ、そうだアリス。
ゲームの詳細について説明していませんでしたっけ。」
アリスはこれ程必死だというのにリオは涼しそうに告げ、続ける。
「えーと…先程も言ったようにゲームの基本は貴方。
…貴方を自分のものにする。
貴方がこの人のものになりたいと思えば、相手に告げれば良い。
そうすれば証文が頂けます。
それを持ってハートの女王のもとへ行けばゲームは終了です。
その証文が女王に渡らなければゲームは終りませんがね。
…こんなものでしょうかね
あぁ…長いですよね、疲れましたか?」
「いえ。
足は…疲れました…けど…」
疲れなど知らないようなリオと、肩でゼェゼェと息をするアリス。
「失敬、少し速かったですかね。
でも着きましたよ。
お疲れ様です。」
止まった目の前にあったのは、大きな大きな木。
そして中でもぽっかりと開いた木の洞の前。
「…へ?ここですか?」
「そう、この中です。」
「とび…こむんですか…?」
「えぇ。」
にっこりと。
「うぇぇぇえー!?
こんな底も見えないよーなとこに!?」
「意外と大丈夫ですって。
ここからは一時アリスと離れてしまうのが寂しいですけど…」
「…離れちゃうんですか?」
「何処に落ちるかわかりませんので…。
偶然一緒になることなんて殆どありませんしね。」
「えー…怖い…
私、リオさんしか知ってる人、いないんですよ?」
「ふふ、会えますよ、また。
それにWonderlandの住人は皆アリスを心待ちにしているんです。
皆、きっとアリスに尽くしてくれますよ。」
「…うぅ…」
覚悟を決めなければ、とじっと洞を見つめる。
「あぁ、でもチェシャ猫には気をつけて。
では、お先に。」
「あ、ちょ!
リ、リオさん!?」
リオがぱっと目の前から消えた。
慌てて洞を覗き込んでみるともはや白い塊となってしまったリオであろうものが見えた。
「う…わぁ……」
改めて怖くなる。
「でも…行かなきゃ…だよね…」
覚悟を決めて飛び込む。

落ちる

想像以上の速さで

滑るように

上を向いているのか

下を向いているのか

それすら分からないほど

真っ暗な中を

落ちる。

悲鳴を上げながら落ち込み、地面の感覚を感じたのは永遠に続くのかを覚悟したその瞬間だった。

「いっ…たぁ…」
どすりとした振動がアリスに伝わる。
「……え?」
どこかの森にでも落ちたかと思い周りを見渡せど、森などおろか、木すらありえない『室内』だった。
「な、なにここ?
こんなとこまで落ちちゃうわけ?
本当…Wonderland、ね。」
周りを見回すと少し物がのった丸テーブルと食器棚、取っ手の無いドアがある以外はなんともそっけないものだった。

「えぇっと…出口は…ここ以外無いみたいね。」
ぐるりと一周してみたもののそれらしき物は見つからず、アリスは取っ手の無いドアの前に立つ。

押してみた。
開かない。
もちろん取っ手がないのだから引くことなど出来ない。

「あぁーもう!
どうしろっていうのよ!」

イライラしながらアリスは叫んだ。

「…もう…叫んだら喉乾いちゃった…」
ふとテーブルに目をやるとテーブルの上にはキラキラと光る銀色のちいさな鍵のような物と、『ドリンク ミー』と書かれた小瓶が。
「あ…飲み物!
で、でも人ん家だし…」
手に取ってしげしげと眺めるアリス。
透明で見たことのない色をしている。
「…罠…かもしれないし、毒入りの可能性m…」
アリスは言い終わらないうちにクルクルと蓋を開け、一気に飲み干した。
「うん、なにこれ…いろーーんな物をぐっちゃぐちゃに混ぜた味がする。
…でもまぁ…飲めないことはないかにゃ………れ?」
周りのものが少し大きくなった気がする。
少し?
いや、どんどん。
大きく、大きく。
違った。
アリス自信が小さくなっているのだった。
しまいにアリスはさっきの小瓶と同じ大きさになってしまった。
さっき落とした瓶がカラカラと音をたてて転がった。
「えぇ!?どーいう…」
周りの総てがアリスよりはるかに大きくなっていた。
絶望しそうになったがアリスの目の前には今のアリスにピッタリのドアがあった。
きちんと取っ手も付いて。
「あ!小さくなったら出れるのね?」
ところが押しても引いてもガチャガチャと音が鳴るばかりで開かない。
「…あれ?」
鍵が閉まっていた。
小さな南京錠。
アリスは机の上に同じく小さな銀色の鍵が置かれていたのを思い出した。
「なるほど、あれで開けるのn……
いや、机の上とか!
取れないし!」
今のアリスには鍵はまるで遥か上空を飛ぶ飛行機のように遠かった。
「どうしろっていうのよぉ…」
うっすら泣きそうになる瞳には随分と美味しそうなケーキが写った。
「む?幻?」
手にとリ、眺めるが普通のケーキのようだ。
「今の私に調度良い大きさのケーキね。」
そう不思議なのはただひとつ。
『小さなアリス』にとって調度良いということ。
そのうえ見やすい大きさで『イート ミー』と。
「さっきは小さくなった。
じゃあ今回はおっきくなる可能性が…これはもう私に食べろって言ってるんじゃないかに!?」
言うや否やアリスはペロリとケーキを平らげた。
「うん、おいしい!」
するとアリスの予想通りだんだんと大きくなっていくのがわかる。
「当たりーっ」
喜び勇んで声を荒げるアリス。
しかし…止まらない。
アリスはぐんぐんと大きくなる。
体の入りそうだった瓶は見る間に小さくなり、部屋いっぱいにアリスが広がる。
瞬く間に7mはあろう大女になってしまったアリス。
「ど、どういうことぉ!?
誰かぁ!」
助けを求めもがこうとするが、もがくほどの隙間もない。
これだけ大きければ力も強かろうと、戸を揺さぶって開けようにも運悪く戸から背いた方を向いてしまっていた。

「んー?
その声…聞いたことあるよー?」
のんびりとした声が、部屋の外から聞こえる。
聞いたことのある声。
優しげで甘い。

「そうだ、アリスちゃんでしょ!」
その声はさも嬉しそうにアリスの名を呼んだ。
「チェシャ…猫…さん?」
「そうそうっ!
覚えてくれてたのぉ!?
うわぁ嬉しい!」
「で、チェシャ猫さん、私ちょぉっと困ったことになってまして。
助けてくださーい…」
「うぇ?どしたのアリスちゃん。」
「あのですねー…ちょっと…詰まって…」
「詰まる?」
「いや…その…ね。」
「何か知んないけど…入るね。」
「あ、ここカギ掛かってて…」

ガチャリ

なんなく戸を開ける音がする。

「なんでぇ!?」
素っ頓狂な声をあげるアリス。
チェシャ猫は悠々と答える。
「ここ、外からは開くんだよ。」
「うそぉ…」
アリスは半泣きで言った。
「あはは、仕組みなんてわかんないよね……」
くすくすと笑いながら入ってきたチェシャ猫だが唖然。
「えーと…どうしたの?」
「あの…え…う…
ちっちゃくて…カギで…取れなくて…開かなくて…飲んで食べる…?」
「うん、わかんない!」

□■□■□■□

チェシャ猫が個人的に好きなのでとりあえずチェシャ猫を出してみました。
裏表ありそうなキャラっていいですよね。
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幸野

Author:幸野
夢見る乙女モドキのJK2の腐れちきんです
BLNLGLばちこい!です
カラオケ好きで歌下手な迷惑っ子です。

wj・BASARA・ラメント・咎狗・絶望先生・ディスガイア・ウサビッチ・ジョジョ・日和・SQ・aph などなど
その他いっぱいゲーム漫画小説大好きです。
雑食で食い散らかしてます←
でも今一番熱いのは堀宮でございます。
でも基本CP的な意味でも雑食でs((
音楽のほうも雑食です。

寂しがり屋なので絡んでいただけると飛び上がって喜びます。
最初は控えめですが慣れたらうっと惜しいまでにハイテンションで絡みだします。
気をつけてください。
お友達切実に募集中ですー

キリ番とかやってみる?



てきとーに踏んだかな?って方はお知らせとかいただけたら^^

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